浄土真宗の僧侶が用いる念珠は基本的に

「単念珠」と

「双輪念珠」の2種類です。

念珠は、双輪(ふたわ)念珠と単輪(ひとわ)念珠の二種がある。色衣・黒衣などを着用したときは双輪念珠を用い、それ以外のときは単輪念珠を用いる。法要や儀式に出仕する場合は白黒珠(しろこくしゅ)・白切房(しろきりふさ)の双輪念珠を用い(撚房は用いない)、布教などの場合は紐房の双輪念珠を用いてもよい。持ち方は、いずれの場合も左手の親指と他の四指の間にかけ、親珠を下にして持ち、房は自然に垂らす。
儀式のルールブックである『法式規範』にも同様の記載があります。

よく読んでみると「布教などの場合は紐房の双輪念珠を用いてもよい」と書いてあります。

この紐房の双輪念珠のことを俗に「布教用念珠」と呼ぶことがあります。
奈良県の先生に質問したところ「通常の双輪念珠の房(切房)は痛みやすい。布教の際は常に念珠を持たねばならないので、痛みにくい紐房の使用が許されているのではないか」と推理していました。なるほど。

ちなみに布教用念珠はあくまでも通常の双輪念珠(白黒珠・白切房)の代わりに用いるものです。布袍のときに用いてはいけません。(そもそも布教は黒衣でするのが原則のようですが……)
私も過去に布袍で布教用念珠を使っていたら法式に厳しい人に怒られました。

本願寺派布教使の皆さんはお気をつけください。