輪灯とは、ご本尊の前にある仏華や蝋燭の供えられた大きな机(前卓|まえじょく)の両側に一対吊るす照明具です。
上部に油煙(ゆえん)を散らす傘、下部に油を入れる油皿と受け皿があります。その間を馬蹄(ばてい)形の釣輪と金具(中吊り)で連結しているので、「輪灯」といいます。
元々は、宮中の紫宸殿の用具といわれ、後世に仏前の荘厳(しょうごん)具に転用されたと伝えられています。
浄土真宗独特の仏具であり、本願寺が大阪の石山(現在の大阪城近辺)にあったころから用いられています。
釣輪の透かし彫りには、菊蔓や牡丹蔓、藤蔓、桐蔓、装飾のない丸蔓などがあります。
阿弥陀如来の御尊前には菊花紋様のものを、向かって右側の親鸞聖人の御影前には牡丹紋様のものを用いるのが基本のようです。
合掌