仏教とは

日本は仏教国であると言われます。しかし「仏教とはどんな教えが説かれているのですか」と聞かれると答えに困ってしまう人はたくさんいらっしゃるかと思います。

仏教の教えは、「すべては苦である(一切皆苦)」というところからはじまります。仏教でいう「苦」というのは、「思い通りにならない」ということを意味します。すべての人間はこの世に生まれた瞬間から「老いること」「病むこと」「死ぬこと」という自分の思い通りにならないものを背負って生きています。思い通りにならないことが苦であると同時に、「思い通りにしようとする」ところに苦しみや悲しみや怒りというものが生まれていきます。

冷静に考えてみれば、この世界というのは私以外にもたくさんの人や動物たちが活動し、たくさんの自然が存在し、たくさんの現象が起こっていく世界です。それらが複雑に絡み合いながら今の一瞬一瞬が作られていますから、この人生や世界が自分の思い通りにならないのは当たり前です。それでも思い通りにしたいと思うのが人間です。

例えば必ず歳を重ねるいのちでありながら、いつまでも若くありたいと思います。必ず病気になるいのちでありながら、いつまでも健康でありたいと思います。必ず死ぬいのちでありながら、いつまでも生きていたいと思います。いのちのことに関わらず、日常生活においても私たちは、「思い通りにならない現実」と「思い通りにしたい欲望」の間でいつも苦悩しています。

仏教の教えは、「すべてのものは自分の思い通りにはならない」とこの世界を理解していくことからはじまります。そのうえで「思い通りにしたい」と思う自分のこころ(煩悩)と向き合っていく教えであります。

法話一覧

2017年01月01日