心理テスト

精神科医の先生がこんな心理テストを出していました。

「次の5つのタイプを、あなたの嫌いな順番に並べてください」

A.お金にルーズな人

B.相手によって態度を変える八方美人な人

C.異性関係にだらしない人

D.優柔不断で内気な人

E.自分の好きなように行動するワガママな人

 

いかがでしょうか。あなたがどのタイプが最も嫌いで、どのタイプが最も許せるのかがハッキリとするはずです。


この心理テストでは、「あなたの隠れた欠点が見えてくる」といいます。

人間は、自分と似た人に対して無意識に甘く判断してしまう傾向があります。
つまり、嫌いな順番に並べたときに「最後にくる人」=「最も許せる人」は、自分でも自覚があるけれど、克服しようとはしていない欠点となります。ある意味で、開き直っている部分といってもいいでしょう。

A.お金にルーズな人
→あなた自身、お金にルーズなところがあり、それは仕方がないことと考えている。

B.相手によって態度を変える八方美人な人
→あなた自身、無意識にまわりに優劣をつけ、相手によって態度を変えるところがある。

C.異性関係にだらしない人
→あなた自身、気が多かったり押しに弱かったり、異性関係が乱れやすい。

D.優柔不断で内気な人
→あなた自身、物事を決められず、はっきり意見を述べるのが苦手。

E.自分の好きなように行動するワガママな人
→あなた自身、相手に合わせるよりも、相手に合わせてもらいたいタイプ。

最後に選んだタイプによって、つい目を背けている自分の欠点が見えてくるのではないでしょうか。


対して、「最初に挙げた人」=「最も嫌いなタイプ」は、自分自身が克服しようとしてきた欠点を持っている可能性が大きいです。
そのため、その欠点が見える相手に嫌悪感を抱くのです。

心理テストなんてアテにはならないものの代表格かも知れませんが、
私たちは自分が頑張ってきてないことを頑張らない人は許せるのに対して、
自分が頑張ってきたことを頑張らない人は許せないことがあるのではないでしょうか。

自分を中心とした心のはたらき(煩悩)でしか世界を見ることができないのが私であると仏教では説かれます。


『楞伽経』というお経に、こんな言葉があります。

迷いもさとりも心から現れ、すべてのものは心によって作られる。ちょうど手品師が、いろいろなものを自由に現わすようなものである。

また、『華厳経』の「盧舎那仏品」にはこのようにあります。

人の心の変化には限りがなく、そのはたらきにも限りがない。汚れた心からは汚れた世界が現れ、清らかな心からは清らかな世界が現れるから、外界の変化にも限りがない。
絵は絵師によって描かれ、外界は心によって作られる。仏の作る世界は、煩悩を離れて清らかであり、人の作る世界は煩悩によって汚れている。
〈『和英対照仏教聖典』より〉


どちらも、私たちの世界は、私たちの心が生み出していることを教えてくれる言葉です。

もしも生活のなかで「苦手だな」「嫌いだな」「許せないな」という人がいれば、それは自分自身の行動や心によって作られているといえるのでしょう。

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2017年05月14日