改めて動画作成についての勉強をしていましたが、プロが作成しているテレビ番組や人気のYouTube動画は5~10秒に1度、必ず動画内で何かが起きているそうです。
確かに注意して見ると、カメラアングルが変わったり、テロップが出たり、SE(効果音)やBGM(音楽)が流れたり、目まぐるしく何かが動いていることに気付きます。
これだけ激しく変化しているのに、注意しないと気付かないくらい自然に感じていました。
というか視聴者が気付かないのが良い編集らしいです。
こうした編集によって視聴者の脳が退屈しないようになっているようです。
つまり受け手目線の親切(?)な編集によって、視聴者が頭を使わないよう楽に見ることができるのが良い動画のコツといいます。
言われてみれば、今まで私が勉強してきた中で学んだ良い文章や良い写真、良いデザインというのは、人間の目線や脳の特徴に沿って自然な流れやシンプルにになるようにできています。
法話をお聴聞していても、人気講師はテーマが明確で聞き手と共有できるようなシンプルな構成になっていることが多いです。
話がつまらない人の特徴は(本人の中では整理してあるつもりなのでしょうが)言いたいことをただ羅列していたり、ひとつの話の中にいくつもテーマがあったりしていて、聞き手に不必要に頭を使わせてるのでしょう。
また話術や表現力が未熟にも関わらず自己満足で伏線を張っていたり、想像力が必要な話をしていたりする……ということを以前、落語家と講談師の方が対談で語っていました。僧侶の法話にも通じるかもしれません。
他にも講演活動をされているタレントさんの取材へ写真撮影で同行したときに「“何を言うか”という内容は、事前に原稿を詰めて練ることができる。誰でもできて当たり前。そこから“どう言うか”という表現力や声のトーン、視線、間の作り方で聞き手の心をしっかり掴むことを常に意識するのが、伝えるプロの仕事」とおっしゃっていました。
自分には高次元な話だな……と思いましたが、「何を伝えるか」と並行して「どう伝えるか」は現場でも配信でも意識した方がいいように思います。
ひとまず「どう伝えるか」の工夫として、作成中の動画にも「テロップ(字幕)」を付けるようにしました。
全自動のテロップソフトもあるのですが、仏教語にまったく対応していないため「聞き取り」→「書き起こし」→「タイミング合わせ」をすべて手作業で行います。
5分の動画で1時間~1時間30分の時間+莫大な集中力と体力を消費します。
しかし、結果的にテロップのある動画とそうでない動画では再生数や高評価数が何倍も変わります。
やはりこちらが必死に汗をかいて苦労しないと、相手には何も届かないのでしょう。
サラリーマン時代に「コンテンツ制作にラッキーパンチはない」と先輩に言われたことを改めて痛感します。
収録にご協力くださる先生方の素晴らしい法話を、多くの人に届けるべく頑張ります。