シャーマン


今日は後輩僧侶から依頼があって、市原えつこさんという方の「デジタルシャーマン・プロジェクト」という企画・発明のお手伝いでお経のレコーディングをしました。


市原えつこさんといえばSI(セクハラインターフェイス)で有名なアーティスト。私もテレビやネットで拝見したことがありました。日本文化とテクノロジーを融合した様々な活動をされています。


今回お手伝いしたプロジェクトの概要は以下の通り。

『デジタルシャーマン・プロジェクト』は、科学技術の発展を遂げた現代向けにデザインされた、あたらしい弔いの形を提案しています。現段階では家庭用ロボット「Pepper」に故人の人格、3Dプリントした顔、口癖、しぐさを憑依させたものを開発しました。このプログラムは死後49日間だけPepperに出現し、49日を過ぎると自動消滅します。ホームページより)


仏教では亡くなってから49日までを中陰(ちゅういん)の期間といいます。

宗教的な面から言えば「亡くなってから次に生まれ変わるまでの間の期間」、機能的な面から言えば「死別を少しずつ受け入れていくための時間」といえるでしょう。

「デジタルシャーマン・プロジェクト」は、この中陰と科学技術(ロボット)をミックスしたようなもので、私は非常に面白いと感じました。初七日や二七日になると、今回レコーディングしたお経が流れる……のかも知れません。

故人との対話はもちろんですが、儀礼の新しい形やロボットにプログラミングする過程で自分の死と向きあう時間を過ごせるなど色々な可能性を秘めているように思います。
とはいえ、恐らく批判する人や反発する僧侶はかなり多いはず。新しいものはどんなものでも文句が出ますが、仏法の流布(るふ)につながるような活動は応援していきたいものです。

合掌

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2017年06月09日