領解文3

『領解文』の内容は「安心(あんじん)」「報謝(ほうしゃ)」「師徳(しとく)」「法度(はっと)」の四段で構成されています。

もろもろの雑行雑修自力のこころをふりすてて、一心に阿弥陀如来、われらが今度の一大事の後生、御たすけ候へとたのみまうして候ふ。
念仏以外の行にたよったり、自力の計らいをもって念仏を称えるなどのこころから離れて、「阿弥陀如来よ。私の来るべき往生浄土の一大事について、あなたの救いのはたらき(南無阿弥陀仏)にすべておまかせします」と一心に仏さまにおたのみ申しております。

最初の安心の段には「捨自帰他(自力のこころを離れて阿弥陀仏の本願他力にすべてを託する)の安心」が示されています。

たのむ一念のとき、往生一定御たすけ治定と存じ、このうへの称名は、御恩報謝と存じよろこびまうし候ふ。
阿弥陀如来のはたらきにおまかせする信心が発ったとき、往生成仏する身と決定し、如来は必ず救い取ってくださると承知し、その後の念仏は、如来のご恩に報いる行であると慶びのうちにお称え申しております。

報謝の段には「信の一念に往生が定まるから、それ以後の念仏は報恩にほかならない」と、称名報恩の義が示されています。

この第一・第二の両段において、信心正因・称名報恩の宗義が領解されたことになります。

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2023年04月01日