お寺の事務作業用のパソコンを買い換えました。
今まで使っていた外付けの古いハードディスクを整理します。
高校時代の懐かしい写真がたくさん出てきました。
同級生に送ったら「懐かしい!」「またみんなで会いたい!」と盛り上がりました。
ところで、昔の話をすると気分が高揚して盛り上がるのはなぜでしょうか。
いろいろ調べていると、専門的に研究している先生がいるようです。
なぜ、「懐かしさ」を感じると、脳や体が元気になるのでしょうか。
実は神経伝達物質であるドーパミンが深くかかわっています。
ドーパミンは私たちに快感をもたらす物質で、脳幹の中脳にあるドーパミン神経から分泌されます。
ドーパミン神経は、いわば私たちの意欲の源といってもよいでしょう。
ドーパミンは脳だけでなく運動機能にも影響を及ぼし、パーキンソン病患者はドーパミンが大幅に不足していることが知られています。
また、高齢になるとドーパミンが不足しがちになっていきます。
このドーパミン神経が活性化されるきっかけになるのは、心理学でいう「報酬」です。
ここでいう報酬は、お金に限りません。出世すること、成績がアップすること、試合に勝つこと、ほめられることなど、さまざまな夢や希望を含みます。
さて興味深いことに、私たちが「懐かしさ」を感じると、中脳の黒質や腹側被蓋野という場所が活性化することが研究によってわかってきました。
しかも、どちらも「報酬」に関係している領域なのです。
つまり私たちは「懐かしい」と感じることで、心理学的な「報酬」を得ることができ、ドーパミン神経が活性化されて、ドーパミンが脳内に分泌されるのです。
そしてドーパミンは快感をもたらすことに加え、運動機能にもいい影響を与えるために、私たちは「懐かしい」と感じることで、気分がよくなってストレスが解消され、元気になるわけです。
私たちは懐かしいと感じることで、ドーパミンが分泌され、気分がよくなるそうです。
私たちは自分の都合を満たすことが快感となりますから、ノスタルジーに浸ることもきっと人間に何かしらメリットがあるのでしょう。
新しい発見をすると「何か法話に使えないかな」と思うのですが、今回は特に思いつきませんでした。