山口県長門市にある西念寺というお寺に、深川倫雄(ふかがわりんゆう)という和上さまがいらっしゃいました。和上とは学位の高い僧侶に対する敬称です。
支坊である光摂坊(こうしょうぼう)では毎夏に勉強会を開催。和上を慕うお弟子さんたちが全国から100名以上も集まり、俵山の温泉街が黄色い袈裟で溢れたと聞きます。
和上が2012年にご往生されてから勉強会も1度は終了したものの、お弟子さんたちが集まって「俵山(たわらやま)研鑽会」という形で再開されました。
私自身、和上と直接のご縁はありませんでした。お名前を知ったのも和上が往生された翌年に通っていた布教の専門学校時代のことです。
講師の1人が和上のお弟子さんであったこともあり、学校で頻繁に名前を聞いていました。
学校を卒業して東京へ戻ると、なかなか勉強する場に恵まれなかったため、ずっと気になっていた深川和上の生前の講義やお説教の音源データを集めて聴くようにしていました。
「私が何をするかのではなく、仏さまが私に何をしてくださったのか」。そのことを徹底された和上の言葉に衝撃を受けたことを今でも覚えています。
それから3年半が経ち、ご縁が整って俵山研鑽会に参加することができました。
直接お目にかかることはかないませんが、この地でお弟子の皆さんと共に研鑽を重ねるそのままが和上との出会いなのだと受け止めさせていただきます。
合掌