一体感

先輩僧侶に誘われて「参加者からの質問にお坊さんが答える」という法座イベントに登壇する機会がよくあります。


参加者から質問が多く出ることがあれば、なかなか出ないこともあります。


何が違うのかよく考えてみましたが、「最初に一緒におつとめするかどうか」がもしかしたら関係ありなのかもしれません。


というのも、最初に一緒におつとめしたときの方が、質問が出やすいことが多いのです。


詳しいメカニズムは分かりませんが、同じ方向を向いて一緒に声を出す行為によって一体感が生まれ、話し手と聞き手の距離が近づいたのでしょうか。


ラジオで芸人さんが話していましたが、大学の学祭やイオンなど大型商業施設での「営業」に出向くときや、テレビ番組収録前の「前説」をする時には、最初に「僕たちのこと知っている人はいますか~」とお客さんに問いかけて手を挙げてもらったり、コール&レスポンスをしてコミュニケーションを取るのが定番だそうです。


この導入(アイスブレイク)でお客さんとの関係性を作ることによって、場が温まり、その後の漫才やコントで笑いが起きやすくなるといいます。


一緒に声を出しておつとめするのは、仏徳讃嘆・宗教儀礼であると同時に、その場にいる人たちの心のつながりを作る大切な時間なのではないでしょうか。


コロナ禍での唱和は難しいですが……。

合掌

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2020年10月26日