前回は浄土宗の戒名について触れました。今回は曹洞宗の戒名の説明についてです。
■曹洞宗の戒名
戒名とは、仏教に帰依し仏弟子となった方に授けられるお名前です。
仏の弟子となる際に、まもり保つべき教え(戒)を師から授けられます。
そのときに新たな名前(戒名)も与えられます。
曹洞宗では、「三帰戒」「三聚浄戒」「十重禁戒」の合わせて「十六の条戒」を授かることにより、仏の弟子となります。
曹洞宗では大本山や各地の寺院にて「授戒会」を開き、多くの檀信徒に参加していただき、仏さまとのご縁を結んでいただくよう勧めています。
その際に仏弟子としてのお名前(戒名)もお授けし、お釈迦さまから連綿と続く系統を記した「血脈」も授けています。
以上のように、仏弟子になるには、本来は生前に儀式をうけていただくことが前提となります。
しかし、残念ながら生前にその機会を得られなかった故人に対し、葬儀に際して戒を授けて仏弟子とし、仏の世界へとお送りするのです。
葬儀において故人に対して、これから仏の弟子として歩んでゆく上での心構えとして戒を授けます。
仏・法・僧の三宝に深く帰依し、慎み深く仏の道を歩んでいくにあたり、戒名がそのよりどころとなっていきます。
故人が新たな名前を受けて、仏さまの弟子として歩み出していくのです。
合掌