本堂やお仏壇の尊前にお供えしたお花のすがたからは「仏さまのこころ」を味わうことができるのではないでしょうか。
というのも、私たちは花を見ると「穏やかな気分」「優しいこころ」「あたたかい気持ち」が沸き起こってくるように思います。
「花を見ると腹が立つ」「花が咲いているとイライラする」という人はいないでしょう。
では、どうして花を見ると人は穏やかな気持ちになるのでしょうか。
農研機構の研究成果によると花の観賞は「脳の活動に影響を与え、心理的、生理的に生じたストレス反応を緩和させる」そうです。
すると、なぜ人は花を見ると脳がストレス低下の反応を起こすのでしょうか。
植物学や生物学の本を読みあさりましたが、明確な答えを得ることはできませんでした。
「生存競争の中で、人に不快感を与える花が排除された」「人間自身が花を美しいと感じるように進化した」「花自身が人間から保護されるために、人間を快を与えるすがたに進化した」などなど、さまざまな推論がインターネット上にはありました。
いずれにしても、花のすがたを通じて感じ取ることの出来る「穏やかさ」「あたたかさ」から、仏さまの「慈悲のこころ」を味わうことができる……というのが、いわゆる仏華の代表的な味わいのようです。
合掌