花と仏教18

須弥壇上の卓である「上卓(うわじょく)」の華瓶(けびょう)には(しきみ)を立てます。


第8代宗主蓮如上人や第9代宗主実如上人の葬儀の時には「三具足の花は樒」(『実如上人闍維中陰録』)とあり、すでに樒が用いられていました。
日本仏教では伝統的に樒を供えていたことを承けたものと考えられています。


1949年刊行の『龍谷勤行要集』には「御花は樒一本」、1986年刊行の『葬儀規範勤式集』では「樒または青木(花瓶にあわせて何本でも)」と改定されてきました。


2009年刊行の『葬儀規範』においては、これらの例を踏襲しながら「上卓の華瓶の樒および青木(常緑樹)の本数は、適宜にその大きさに合わせる」「前卓の花瓶の供華として、生花の代わりに樒または青木(常緑樹)を用いる場合の本数は、適宜に花瓶の大きさに合わせる」とあります。


供華としてを用いるのは「青蓮華に似ているから」「香木であるから」ともいわれています。

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2021年01月08日