お盆参りでお世話になっているこちらのお寺の歴代住職は陳善院僧樸(ちんぜんいんそうぼく)師をはじめ、著名な学僧がつとめていました。
最後に兼務住職をつとめたのは大分県の労謙院善譲(ろうけんいんぜんじょう)師です。
幼いときからとても聡明だったそうで、4歳のときに「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)」を暗誦したという逸話が残っています。
22歳の時に上洛して得度。その後、堺の性海(しょうかい)に師事し、空華学派(くうげがくは)の学僧として行信論(ぎょうしんろん)を最高域まで極められた大和上として知られています。
大分で「信昌閣(しんしょうかく)」という学塾を開くと、遠近各地から多くの学徒が集まり、多いときは70~80名が在籍していました。
善譲和上は50年間この信昌閣で講義を続け、何人もの舎生が勧学和上となっています。
他にもたくさんの有名な学僧が兼務住職をつとめていました。
お寺の歴史を辿ることで、さまざまな先哲の足跡を知ることができました。
また、こちらのお寺そのものの歴史を紐解いていくと、牛が大好きだった子どもが亡くなり、その子のために建立されたようです。
そのため、本尊である阿弥陀如来の蓮台に牛の彫刻が施されています。これは非常に珍しいです。
合掌