読経

一周忌、三回忌、七回忌……といった法事をおつとめする時、ご門徒さんの自宅でおつとめする地方も多いようです。

首都圏ではお寺で執り行うことが多いように思います。


稱名寺もお寺で皆さんからの法事を受けています。お経は『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)を読むことが多いです。


仏教を開いたお釈迦さまは「八万四千の法門」と呼ばれるほど多種多様な教えを説かれました。浄土真宗の宗祖である親鸞聖人は、その中から『仏説無量寿経』『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』の「浄土三部経」をご自身の仏道の依り所とされています。

そのため「浄土真宗のお寺でお経を読む」ときには、この3つの中から選ぶことになります。


最も短いのが『仏説阿弥陀経』です。中国の高僧である善導大師は4枚の紙におさまることから、「四紙弥陀経(ししみだきょう)」と呼んでいました。実際に数えてみると1,857文字ですから、原稿用紙でも4枚半程度です。
読経時間は人にもよりますが、15~20分くらいでしょう。

稱名寺の法事の時間は1時間弱。分量的にもちょうどいいという理由で用いています……というか、西本願寺から出版されているお経本にも必ず載っているので、首都圏では『阿弥陀経』で法事をお勤めするお寺が多いのではないでしょうか。

もちろん「必ず『阿弥陀経』を読まなければいけない」といった決まりはないので、地方によっては浄土三部経をすべて読むところもあるそうですし、称名寺でも親鸞聖人が綴った「正信念仏偈」をおつとめする場合もあります。

『阿弥陀経』の良いところは、複雑な旋律はなく棒読みであることです。ほとんどのお経本にはふりがながあるので、平仮名が読めれば基本的に誰でも読めます。

僧侶の読経を聞いているだけでは退屈だと思うので、私はお経本を配布して「みんなで一緒に読みましょう」と推奨しています。


その際に配布するお経本はこちら。8月のお盆参りでお世話になっているお寺のご住職が出版しています。


このお経本の良い点はお経の現代語訳が載っているところ。現代語訳は訳者の色が出やすいので、好き嫌いは分かれるかも知れませんが、お経の内容を理解する入り口になります。


表紙にはお寺の名前を入れてもらえます。
いろいろとお経本を使ってみましたが、今のところ1番人気。法事が終わった後に「この本ください」と頻繁に声をかけられます。


内容を理解することと同じくらいに声に出して読むことも大切です。しかし、お経本を持ち帰っても、実際にどのように読めばいいのか分からないという人もいるので、CDも一緒に渡しています。


ちなみに経費削減のため全て手作りです。

合掌

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2017年09月15日