昨日の法要に引き続き、本日も築地本願寺で「第25代専如門主伝灯奉告法要首都圏協賛行事」として次世代リーダーズサミットが開催されました。
テーマは「誰一人取り残さない」。
開催趣旨は次の通りです。
浄土真宗本願寺派第25代門主に就任された専如門主は、ご親教「念仏者の生き方」において、世界には、テロや武力紛争、経済格差、地球温暖化、核物質の拡散、差別を含む人権の抑圧など、人類の生存に関わる困難な問題が山積みしており、それらは私たちの自己中心的なあり方に起因していると指摘されました。その上で、あらゆるものを救いとるという阿弥陀如来の願いをいただく私たちが、仏さまのお心にかなう生き方を目指し、独りひとりが世界の幸せのために行動していくことの大切さを述べられました。
さて、この地球社会の存続に関わる困難な問題の解決を目指した動きは、世界中で始まっています。国際連合加盟国は、2015年9月、「誰一人取り残さないーNo one will be left bihindー」 を理念に、2030年を目標年と定め、貧困・飢餓・不平等・環境・などの17の目標、すなわち「持続可能な開発目標:SDGs(Sustainable Development Goals)」を設定し、広範な課題に統合的に取り組む必要性を呼びかけました。SDGsの特徴の一つは、地球上のすべての国や人びとを呼びかけの対象としていることです。そのため、この国連が定めた目標を、各国政府や地域、企業、団体、故人がそれぞれの立場から取り組んでいくことが要請されます。SDGsという世界規模の目標を視野に入れることで、既存の活動が見直され、具体的な活動がさらに活発に展開され、諸活動の相互連携が生み出されていくことが期待されます。
本シンポジウムは、ご門主の「念仏者の生き方」を受け、とくに次世代を担う人びと(次世代リーダーズ)が主体となり、SDGsから学びを深め、国内外のあらゆる人びとと協働し、人類の生存に関わる諸問題の解決に一層寄与していくことを目的として開催されるものです。
ご門主の言葉、蟹江憲史氏(慶應義塾大学大学院教授)による「SDGsの理念と現状」、国連広報局アウトリーチ部部長であるマーヘル・セナル氏による基調講演、国谷裕子氏(東京藝術大学理事)・蟹江憲史氏・末吉里花氏(一般社団法人エシカル協会代表理事)・松島靖朗氏(NPO法人おてらおやつクラブ代表理事)・釈徹宗氏(相愛大学教授)によるシンポジウム「誰一人取り残さない」といったプログラムでした。
身近な行動から世界を変えるための努力目標として17の項目が設定されています。
シンポジウムの中では、「SDGsの理念に賛同することで推進者に負担が掛かるような仕組みではなく、SDGsに取り組むことで得するようでなくては活動が広まらない」という指摘がありました。
とても有意義なシンポジウムでした。
合掌