人間関係2

昨日の出来事を書いていて思い出した話があります。


京都の勤式指導所という学校で勉強していた時、東京から車を持って来ていました。
授業が終わってから暇があれば友人たちとドライブや観光に出掛けていたのも今では良い思い出です。

ある日、2歳年下の友人が私にお願いをしてきました。

「車で連れて行って欲しいラーメン屋さんがあるんですが」

せっかくなので彼の仲間も誘い、雨の降る中を車に乗り込み、みんなでお目当てのラーメン屋さんへ向かいました。


ようやくたどり着いたお店で麺を啜り、スープを飲みます。

「(あんまり自分には合わない味だな……)」

お店の中だったので言葉にはしませんでしたが、そう感じてしまいました。
自分だけかと思えば、周りの仲間たちもあまり箸が進んでいない様子。


会計を済ませて再び車を走らせた帰り道に、私からみんなに聞いてみました。

「正直なところ、ラーメンどうだった?」

すると、助手席に座っていた子が答えます。

「美味しかったですね。今日は連れて来てくれてありがとうございました」

「えっ、それ本当に思ってる?残してなかった?」

「ちょっと昼を食べ過ぎてしまって……」


「そうなんだ……。じゃあ後部座席に座ってる君はどうだった?」


「う〜ん、全く美味しくなかったですね」

車内が笑いに包まれました。

この時、私は正直に感想を話してくれた後部座席に座っている子な対してとても好印象を抱きました。


だからと言って、別に助手席の子が悪いわけではありません。
「雨の中で年上の人がわざわざ車を運転して連れて来てくれたのだから、美味しくなかったと言うのは失礼だ」と考えて気を遣ってくれたのかも知れませんし、本当に美味しいと感じていた可能性もあります。


さらに私の状況が違えばどうだったでしょうか。
もしも私がラーメンを「美味しかった」と感じていたら、「不味かった」と言い切る後部座席の子に対して嫌な気持ちを覚えたと思います。


また、その時はたまたま余裕があって何も考えていませんでしたが、「年下の人たちを雨の中でわざわざ車で連れて来てやった」と私が考えていたら、後部座席の彼に対しては、

「雨の中をわざわざ運転して連れて来てやったのに“不味かった”とは失礼な奴だ。嘘でも上手いと言え」

と感じたかも知れません。


結局のところ、相手にどんな印象を抱くかどうかもその時の自分次第だということでしょう。
それは相手も同じなのだと考えると、人間関係は難しく、悩みが絶えない人が多いことも頷けます。

合掌

前の投稿

次の投稿

2017年11月17日