勉強会1

お坊さんが大切にするべき3本柱に、「教学」「布教」「勤式(ごんしき)」があります。


「教学」とは、勉強することです。お釈迦さまが説かれたお経や、インド・中国・日本の高僧及び親鸞聖人やその子孫の著述について学ぶことは、浄土真宗の僧侶の本分です。


「布教」とは、教えを流布することです。「説教」や「説法」と言うこともあります。教え導くというよりも、話し手が有難いと思う仏法の要点を聞き手と共有する作業といってもいいのかも知れません。


「勤式」とは、読経を中心とした儀式・儀礼のことです。伝統的な旋律の声明(しょうみょう)や雅楽の演奏だけでなく、本堂のお飾りをすることや作法も含まれます。


他にも歴史の専門家がいたり、ギターを演奏して教えを広めるお坊さんや、西洋音楽的なお経もあったりしますので、本当はあまりキッチリとは分けられません。
ただ、「学ぶ」「広める」「つとめる」の3つが基本となるということはいえるでしょう。
お坊さんは、この3つをバランスよく身に付けるのことが理想とされます。ですが、実際には「勉強はできるけど、話が苦手」「お経は上手いけど、勉強をしない」などお坊さんによって得意不得意があります。

かくいう私も勉強することが嫌いで……しかし、それではいけないということで、ここ何年かはなるべく経典や聖教の言葉を読み解くことに時間を割いています。

その一環として、仏教の本場である京都から最高峰の講師を招いて勉強会を主催しています。今日はその勉強会が築地本願寺でありました。
今回は2015年から続けている、『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の勉強会でした。

『教行信証』は浄土真宗の宗祖である親鸞聖人の主著です。浄土真宗の教義体系が示された、私たちの根本聖典で、最重要書物です。


このように築地本願寺で部屋を借りて開催しています。
私だけではさすがにもったいないので、友人僧侶や興味がある人を集めてみんなで受講します。

ご講義くださるのは勧学和上(かんがくわじょう:教学の最高階位)の内藤知康師です。東京ではなかなかお話を聞くことができない、浄土真宗の教義に現代で最も精通した先生の1人です。

学んだことをしっかりとお寺での活動に還元できているのかはまだ分かりませんが、これからも僧侶として地道に勉強は続けていきたいと思います。

ちなみに講義の案内や過去の音源をまとめているサイトがありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
初回講義は誰でもダウンロードして聴講することができます。

『教行信証(本典)』概説のページ

合掌

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2017年01月27日