午後の空き時間を使って神保町へ出向きました。
正式には神田神保町といい、江戸時代の旗本(いわゆるお殿様)だった神保長治(じんぼうながはる)氏の屋敷があったことに由来するそうです〈『百科事典マイペディア』〉。
明治初期、この地域に相次いで法律学校が設立されました(後の日本大学・専修大学・明治大学)。学生を目当てにした本屋が集まり、書店街としての歩みがはじまります。
大学の学部が多様化していくにしたがって、書店はさらに増加。現在では、約200店の古書店・新刊書店にくわえて、岩波書店や集英社・小学館(一ツ橋グループ)の本社があることでも有名です。
世界一の本の町といわれ、毎年の秋には「神田古本祭り」や「神保町ブックフェスティバル」が開催されています。
学生や読書家の憩いの場として、たくさんの喫茶店があるのも特徴です。
さらにここ20年間でカレーを提供する店が激増。本屋と同じくらいの数があります。
「なんでカレー?」と思って調べてみると、本を読みながら片手で食べられるからだとか。
自転車ですぐ行ける距離なので、学生時代からお世話になっている街です。
最近、必ず立ち寄っているのが「東陽堂書店」。
日本屈指の仏教書専門店です。お坊さん垂涎の専門書が並びます。
インターネットなどで新刊はすぐに手に入る時代となりましたが、絶版の書籍はそうはいきません。このお店であれば、高い確率で見つかります。
ただ、当たり前ですがそういった本は貴重なのでとにかく高価。いつも眺めるだけ眺めたら満足して帰ります。
せっかくなので隣にある「三省堂書店」で、本を買って帰りました。
ちなみに、多くの本屋が靖国通りの南側に位置していて、出入り口が北側にあります。直射日光を避けて、本を日焼けから守るためです。
似たような話で、浄土真宗寺院の本堂は多くが西側(東向き)に建っています。
京都の西本願寺もそうです。西陽を背負う形に本堂を構えることで、参拝者は自然と西方浄土の方向へ手が合わさります。
稱名寺はというと……、
北側(南向き)でした。
合掌