警官と僧侶


友人の車の助手席に乗っていた時のこと。踏切前の一時停止違反で、パトカーに捕まりました。

助手席の私からすると止まったようにも見えたのですが、お巡りさんが「無視してましたよ」と言うのですから仕方がありません。友人はその場で青切符を切られる結果に。

手続きの間、私はお巡りさんと話していました。

「お巡りさんって、制服を着ていないプライベートな時でも人を逮捕したりできるんですか?」

「別に我々でなくても、法律上は現行犯であれば、誰でも人を捕まえることは可能ですよ。ただ、警官だからって勤務時間以外に調査したりはできませんね」

「やっぱり、普段から犯罪に目を光らせているんですか?」

「いや〜、さすがに普段は気にしませんよ。仕事の時は気を張ってますけど、それ以外は普通に過ごしてます」

昔、とあるお坊さんが「僧侶と警察官は似ている。何故なら、制服を脱いでも警察官は警察官のままであるように、僧侶も衣を脱いでも僧侶であることには変わらないからだ」ということを言っていましたが、全く違いました。


でも、お坊さんは衣を脱いでもお坊さんであるというのはその通りだと思います。

お坊さんの定義が難しいですが、例えば「仏教の教えを拠り所として、その教えを伝えていくことを大切にしている人」がお坊さんだとすれば、別に衣を着ていようが脱いでいようがお坊さんはお坊さんだと言えます。仕事の時だけお坊さん……というのはちょっと違います。

私の職業は何かと聞かれたら「宗教法人 稱名寺の職員」、もしくは「無職」というのが正しいようです。

合掌

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2017年04月09日