隠彰顕密③

『仏説観無量寿経』『仏説阿弥陀経』の両経の内容に、真実と方便の両義を見ていかれるところに親鸞聖人の三経観の特色があります。

しかし『仏説観無量寿経』を第十九願意が開説されたもの、『仏説阿弥陀経』を第二十願意が開説されたものと見られているのは、経説を示したのは釈尊であっても、それは衆生を摂取せんとする阿弥陀仏の願いにもとづくのであるということ示したものに他なりません。

言い換えると「阿弥陀仏の願意を両経にあらわして、自力の執心に迷う衆生を弘願力に導き入れようという釈尊の深い思し召しがある」と親鸞聖人は領解されています。

顕彰隠密の義の「密」の字はそうした仏の密意を示すものと考えられています。

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2025年01月28日