仏教用語に「出家」と「在家」という言葉があります。
出家 家を出ること。家を捨て去ること。すなわち在俗の生活を捨て、修行者の仲間に入ること。受戒して僧になること。
在家 家庭を持ち、世俗の生活を送る者のこと。俗人などともいう。出家に対する。
ふたつの異なる仏道形態を表した言葉です。
しかし私たちの業界では、お寺の生まれではない人を「在家」と呼ぶ場面によく遭遇します。
例えば、僧侶が結婚をした時に相手の女性がお寺の生まれではない場合に「私の連れ合いは在家の出身です」と話したり、お寺の生まれではない僧侶が「私は在家の出身です」と話したりします。
では、お寺の生まれの人を「出家の出身」と呼ぶかと言えば……そんなことはありません。
なぜなら、本来の意味で考えれば、浄土真宗は僧侶であろうが、門徒であろうが、在家だからです。
すると、どうしてお寺の生まれではない人を「在家」と呼ぶ習慣があるのでしょうか。
もしかしたら、もしかしなくても、根底に差別的な意識があるのでしょう。
ご法義の話ではなく、あくまで感覚の話ですが……うーん。
合掌