新型コロナウイルスの影響でしばらく控えていましたが、久しぶりに友人と映画館へ行きました。
TOHOシネマズ新宿へ。
話題作『鬼滅の刃』の劇場版。4年前の連載当初から読んでいましたが、昨年にアニメ化されてから急に人気作となった印象です。
大正時代の日本を舞台とする純和風な作品なので『仏説阿弥陀経』や「南無阿弥陀仏」と、たまに仏教的な演出があります。
このキャラクターは「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えながら鉄球で敵のボスを破壊しています。蓮如上人は
なほなほたふとくおもひたてまつらんこころのおこらんときは、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と、時をもいはず、ところをもきらはず、念仏申すべし。これをすなはち仏恩報謝の念仏と申すなり。
とおっしゃってます。お念仏は時間も場所も選びません。鉄球を振り回しているときも南無阿弥陀仏です。
少年漫画なので、ストーリーの大枠はシンプルな勧善懲悪で、クライマックスも敵をやっつけてハッピーエンド。無理やり浄土真宗の救いに重ねるのは難しそうです。
ちなみに映画の冒頭で墓地のシーンがありますが、墓石に「南無阿弥陀仏」と彫られていました。作者は九州の方らしいので、もしかしたら浄土真宗のご門徒なのかもしれません。卒塔婆が立ってるけど……。
一方で、ラストシーンでは死んだ登場人物に対して「黄泉の国」という言葉で死後の世界を表現していたので、お聴聞はしていないと予想されます。
そもそも仏教がメインテーマの作品ではありません。話題作に仏教的な要素が少しでもチラつくと安易に飛びついて便乗してしまうのは悪い癖です。
合掌