インドで「いのちの花」として考えられていた「蓮華」は、中国では少し異なったものとして受け容れられます。
「蓮」は「憐」(愛)と同じ発音であったため、男女の恋心を表わす言葉として用いられました。
また食べ物や薬として「蓮華」は生活の中に浸透していきます。蓮の実は蓮飯に、葉は蓮茶や酒を入れて飲む「碧筒酒(へきとうしゅ)」として唐の時代に好まれたようです。
現在の日本でも蓮根(レンコン)が食材のひとつとして定着しています。
中国ではこのような面とは別に、花器を用いて蓮華を活けて鑑賞する歴史が古くからあります。
中国河南省落陽市の南方にある龍門石窟の6世紀前半の皇甫(こうほ)公窟北壁には、壺に「蓮華」を活けた絵が残っています。
合掌