何度か触れることがありましたが、去年の10月頭から今年の5月いっぱいまで、浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺の住職代替わり法要がつとまっています。
正確には第25代 専如門主 伝灯奉告法要(でんとうほうこくほうよう)といいます。
期間中に述べ80座の法要があるのですが、申し込みをすると浄土真宗のお坊さんは誰でも衣を着用して法要に出勤することができます。
私も10月1日の初日から何度か出勤させていただきましたが、せっかくなので最後の最後である本日の法要にも出勤することに。
ちなみに出勤形態には3種類あります。
1つ目は結衆(けっしゅう)。内陣という本堂で最もご本尊に近い部分で作法をしながら読経する役割です。
2つ目は列衆(れっしゅう)。結衆から1つ外側のブロックで読経します。
3つ目は讃嘆衆(さんだんしゅう)。ご本尊と参拝者の間に座って読経や雅楽の演奏を担当します。
私は今回は3つ目の讃嘆衆で出勤しました。この讃嘆衆で出勤するには“特別法務員(とくべつほうむいん)”という資格が必要となります。勤式指導所(ごんしきしどうしょ)という儀礼の専門学校を1年間修了して試験に合格するといただける資格です。
広義では読経の声や雅楽の演奏も、仏さまへのお供え物であるとされます。日々の研鑽の成果を西本願寺のご本尊へとお供えさせていただけるのは、非常にありがたいことです。
ちなみに讃嘆衆の出勤までの裏側を少しお伝えしますと、
西本願寺の境内にある受付を通り、廊下を進んでいくと……
讃嘆衆の控え室(紫水閣|しすいかく)が。ここで着替えたり、楽器の準備をします。
時間になると、西本願寺の式務部(儀礼専門の部署)の方々から出勤について説明を受け、みんなで吹き合わせ(リハーサル)を行います。時間になったら、本堂へ出発。
そうして法要が盛大につとまるのです。
全国からたくさんの参拝者や僧侶が集まってこうした大法要が開催されるのは、本当に不思議なことだと思います。
人がお参りするということは、そこには必ず人をお参りさせる何かがあるということでしょう。その何かこそが仏さまのはたらきであると感じます。
合掌