築地本願寺の運営する銀座サロンで開催された講座へお手伝いに行きました。
前回まで、「ブッダde大喜利」の名称でしたが、今回からは先生の提案でマイナーチェンジ。
「即答法話(そくとうほうわ)」として装いも新たに再出発です。
といっても内容は大きくは変わりません。最初にお経をあげます。
続いて、今回のテーマである「死語の世界 地獄・極楽」について数人のお坊さんが法話。
そして、お話を聞いて浮かんだ質問を皆さんから集めて福間義朝先生を中心に即答します。
私は導入の法話を担当。「地獄の受け止め」と「死後の世界と輪廻」の話をしました。
お坊さんでも避けることが多い難しい話題なのですが、諸先輩方の知恵を借りながら話すと、皆さんとても真剣に聞いてくださいました。
質問タイムになると輪廻に関する質問も多かったので、意外と伝わったのかな……と思いきや、出たのは「輪廻の先には何がある?」「輪廻すると記憶はどうなる?」といった客観的・知識的な質問ばかり。
改めて考えてみると、自分自身が今まで輪廻をしてきた存在だと普通は思えません。迷いの世界を経巡(へめぐ)ってきたなんて言われたところで、記憶もなければ自覚もない。
そもそも、今の自分が迷っているとは思えないし、自分で気付くのも不可能というもの。
同じような理由で、「嘘をついたり、生き物のいのちを奪うような自分は地獄行きの悪人だ」ということを自覚するのも無理です。
たまに「自分は地獄に行ってもおかしくないくらい罪深い存在です」という人もいますが、自分ではそう思っているつもりでも、家族とケンカしているときに「お前みたいな自分勝手な奴は地獄に行く」と言われたり、街中でいきなり知らない人から「あなたは地獄に墜ちそうな人間だ」と言われたりして「はい、そうです」と頷けるわけがありません。
そう考えると、仏教の教えに慣れていない人に対していくら丁寧に「輪廻」とか「地獄」の話をしても、どこまでも自分とは関係ない絵空事・他人事で終わってしまい、自身の身のうえに重なり合って響くことはないのだろう……ということを改めて学ばせていただきました。
次回の開催は9月22日(金)19:00から21:00です。
合掌