お寺の掲示板に法語を貼り出すようになってからしばらくして、お寺のインターホンが鳴りました。
外に出てみると、年配の女性が立っています。
「どうされました?」
「あの、門の前に書いてある文章を読んだんですが……」
「読んでくださったんですね。ありがとうございます」
「あれってどういう意味ですか?」
聞けば、その時に貼り出されていた言葉に引かれる何かがあり、詳しい内容やその真意が気になったとのことでした。
「えーっと、あの言葉はですね」
私が解説を始めると、一生懸命メモを取りはじめる女性。
なるほど、こういう人もいるのであれば最初から解説文みたいなのを添えておいた方がいいのかも知れない……ということで翌月からは、毎月の法語と併せて法語に因んだ400〜800字の法話も同時に掲示するようにしました。
掲示されたものを見る人は不特定多数なので、法話はなるべく難しい仏教用語を使わず、内容も親しみやすいものにしました。そうすると必然的に、人生訓や生活の知恵のような話になります。最初は自分で考えていたのですが、若輩者が生き方について書くにはちょっと荷が重い……。
そのため、他の人が書いていたものを参考にするようにしています。
こうして稱名寺の掲示版はバージョンアップを果たしました。
さらに続きがありますが、それはまた改めて書きたいと思います。
合掌