法名3

法名についての誤解

法名に関する最大の誤解は、「死んでからいただくもの」というものでしょう。
確かに現在は亡くなってから法名をいただくことも少なくありません。
こうした現象の背景には、(浄土真宗ではそのように考えませんが)「葬儀の時に僧侶として送り出した方が、死者にとって有益だ」とする日本独自の考え方があります。


もともと、法名は出家する際に与えられていたものですから、存命中に授与されるのが正式な形なのでしょう。

とはいえ、浄土真宗のご法義の受け止め方としても「教えに生きられた故人の姿を、法名を通して偲ばせていただくこと」には確かに大きな意義があります。

一方で、法名が「信仰に生きることの名告(なの)り」であるならば、やはり生前に頂戴するのが本来の形といえます。


法名には、一般的に経典の言葉・文字が引かれています。
この二文字の中に込められた意味・思いが法縁となり、自らの生き方に反映されてこそ、法名の意義が十全に発揮されることになるでしょう。


□法名をいただいて

釈尊から2500年、道安から1600年以上もの歴史を承けて、現在の法名があります。

法名をいただくことは、この歴史のなかに私が加わることであり、名前に込められた思いを通して教えに出会わせていただくことであります。

私たちにとって法名は、仏教、浄土真宗の豊かな風景に触れるための大切な窓のひとつといえるでしょう。〈本願寺出版社『季刊せいてん No.77』より〉

合掌

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2020年08月11日