東京はお盆シーズンの真っ最中です。
稱名寺でもお盆の法要がつとまります。
毎年、お盆の時期になると「お盆の『御文章』」や「盆灯籠」、「『浄土盂蘭盆経』の説示」など、何かしらお盆にまつわることを最低ひとつは調べてブログに記事を書くのですが、今年は特にネタがありません。
親鸞聖人は盂蘭盆について何か書いているか調べたところ、『教行信証』「化身土文類」外教釈に元照律師の『盂蘭盆経疏新記』を引用しているのを見つけました。
引用文の内容は「鬼神」についての言及です。
ちなみに『盂蘭盆経疏新記』は宗密の『盂蘭盆経疏』の注釈書とのことです。
あまり掘り下げられなかったので、最後に『拝読 浄土真宗のみ教え』の「お盆」という項目をご紹介します。
亡くなられた先人たちのご恩に対し、あらためて思いを寄せるのがお盆である。
親鸞聖人は仰せになる。
願土にいたればすみやかに
無上涅槃を証してぞ
すなはち大悲をおこすなり
これを回向となづけたり
[現代語訳]阿弥陀如来の浄土に往生すると、速やかにこの上ない涅槃(すべての煩悩を滅したさとりの境地)のさとりを開き、そのまま大いなる慈悲の心をおこすのである。このことを阿弥陀如来の回向(阿弥陀如来が本願力をもって、その功徳を衆生にふりむけること)のはたらきというのである。
浄土へ往生した人は、如来の願力によってすみやかにさとりをひらき、大いなる慈悲の心をおこす。迷いのこの世に還り来たり、私たちを真実の道へ導こうと常にはたらかれるのである。
仏の国に往き生まれていった懐かしい人たち。仏のはたらきとなって、いつも私とともにあり、私を見守っていてくださる。
このお盆を縁として、すでに仏となられた方々のご恩をよろこび念仏申すばかりである。