お寺の法座にお参りをするときには、必ず「御布施」「御仏前」を包んでいきます。
また、西本願寺や築地本願寺の本堂や常例布教へお参りするときにも必ずお賽銭を欠かしません。
恥ずかしい話、僧侶に成り立ての頃は一切していませんでした。
「御布施で生きている私たちであるからこそ、お寺にお参りをしたら、ちゃんと御布施をしなければいけません」
これもまた西藤先生から教わったことです。
言われてみれば西本願寺や築地本願寺で法話を聞いたあと、多くのお坊さんはお賽銭を入れることなくそのまま帰っていきます。自分もそのひとりでした。
あくまで「お気持ち」です。とはいえ、ご門徒さんに「お参りするときには御布施を包むんですよ」と教える側の僧侶が、御布施をせずにお参りするのは変な話です。
自分は西藤先生に言われるまで出来ていなかったので、誰に言われるでもなく御布施を包んだり、お賽銭を入れたりする僧侶を見ると「凄い!」と思います。
以前、とあるお寺に先輩とお聴聞に行ったときに
「何か持って行くものってある?」
と聞かれたので、
「念珠と聖典、あとは御仏前を包んでいくくらいじゃないですか?」
と答えたら、
「えっ?御仏前って……お金を包まないといけないの?同業者なんだからそこまでしなくていいと思うけどな〜」
と言われました。
世の中には色んなお坊さんがいます。過去の自分の姿に会うこともしばしば。