シネマ法話に出講しました。
映画をテーマに法話を作成することで、発想力や新しい視点を養います。
今回は築地本願寺の職員さんであるA山さんに勧められた『奇跡のリンゴ』を選びました。
農薬アレルギーの妻のために、不可能といわれていた無農薬リンゴを完成させた木村秋則さんの体験談を元にした映画作品です。
「妻のために命懸けで奇跡のリンゴを完成させた夫」というところ、「衆生のために命懸けで南無阿弥陀仏を完成させた阿弥陀如来」に例えて話してみました。
しかし、実際のところ、そんな夫婦は稀です。あまりにもリアリティがない話は、意外性があって退屈せずに聞ける反面、頭では理解できても自分の中に重なり合って響くことはないので、例話としてのパンチ力はかなり弱く感じます。
そのため、いつもよりモチベーションが低かったのが正直なところです。
そもそも映画というのは、映像だからこそ可能な表現も多く用いられ、非日常が描かれているからこそ面白いのではないでしょうか。
「良い例話とは、誰もが経験したことがあるような共感できる話の中にある」と学校で教わりましたが、そのことの意味が最近になってよく分かるようになりました。
しかし、普段しないことをすることで、普段のパフォーマンスが向上することはあるので、さまざまな形の鍛錬は必要だとも感じます。
合掌