5月の第2日曜日は「母の日」です。
母に敬意と感謝を表す日。四旬節の4度目の日曜日に教会を訪れて両親の霊に感謝を捧げたイギリス・ギリシアの風習と、
1910年ごろ、アメリカの一女性が母の追憶のため、教会で白いカーネーションを配ったことが結合したものといわれている。
1914年ウィルソン大統領によって制定された。
日本には第二次世界大戦後、この風習が伝わって赤いカーネーションを母に贈るようになり、母を失った者は白いカーネーションを霊前などに供えることが行われるようになった。〈『日本大百科全書』〉
母の愛情に感謝し、その労苦を慰める趣旨の日。1907年5月12日、アメリカのフィラデルフィアに住むアンナ・ジャービスという女性がウェストバージニアで行われた母の追悼式に1箱のカーネーションを捧げたことから始まったといわれ、
1914年、W.ウィルソン大統領が祝日に定めた。
この日、母が健在の者は赤いカーネーションを、母を失った者は白いカーネーションを胸に飾って母をたたえる。家庭でも子女が母親に贈り物などをする。
日本では昭和初めころから、皇后誕生日(3月6日)を母の日としていたが、第2次世界大戦後、アメリカにならって5月第2日曜日とするようになった。
世界の多くの国でも同様に扱われているが、イギリスでは四旬節の第4日曜日を、フランスでは5月の最終日曜日を、ロシアでは3月8日を母の日としている。〈『ブリタニカ国際大百科事典』〉
こうして調べてみると、四旬節(しじゅんせつ|カトリック教会などの西方教会において、復活祭の46日前〔四旬とは40日のことであるが、日曜日を除いて40日を数えるので46日前からとなる〕の水曜日〔灰の水曜日〕から復活祭の前日〔聖土曜日〕までの期間のこと)の暦であったり、元々はキリスト教や教会の影響が大きい行事のようです。
たまに「仏教徒が神社や祭りには行ってはいけない。クリスマスやハロウィンを楽しんではいけない」という過激派の主張を聞きます。
徹底するのであれば、母の日もするべきではないのかも知れません。
私は個人の好きにすればいいと思います。
以前、こんな話を聞いたことがあります。
浄土真宗の仏さまである阿弥陀如来は、「あなたのもとへ南無阿弥陀仏で出向いて、あなたをお浄土へ連れ帰る」とおっしゃいます。
ですから、浄土真宗のご法義を聞く人には、亡き方を「仏さま」と仰いでいく世界が開かれます。合わせる手の中や、「なんまんだぶ」と称(とな)える声の中に仏さまとなった故人がそばにいて、導き、はたらいていることを味わうのです。
そのため、私たちが「法事をして供養しなければ成仏できずに迷ってしまう」「お盆には帰ってくるから準備をして出迎えてあげないといけない」と考える必要はありません。
では、お盆や法事で先人を偲ぶのはなぜでしょうか。本来であれば、私たちに仏縁を結ぶためにいつでもはたらいてくださる仏さまには、毎日のように手を合わせてお礼を申し上げたいものです。
しかし、だからといって毎日のようにお墓参りをしたり、お経をあげることは難しい……そこで、お盆や法事といった期日を定めてお参りをさせていただくのです。
例えば、「母の日」「父の日」「敬老の日」「勤労感謝の日」もそうです。家族をはじめとして、いつもお世話になっている人には、いつもお礼を言いたいものです。
しかし、だからといって毎日のようにカーネーションをあげたり、感謝することは難しい……そこで、「母の日」「父の日」といった期日を定めてお礼をするのです。
ちなみに私は近所にある「東京ドーム天然温泉」の無料招待券を贈りました。
合掌