仏さまの教えを学んで難しいと思うことのひとつは、「世間」と「世間のことを超え勝れた世界」の調和です。
一般的には、仏教は死んだあとにお世話になる話で、世間のことは自分の力、もしくは神様にお願いして解決すると考えている人は多いのではないでしょうか。
しかし、それでは仏教が年齢を重ねた人への慰めとなってしまいます。
だからといって、仏教で何でも解決できると盲信してしまうと、宗教同士の対立に繋がったり、仏教を利用して独りよがりの思いを押しつける恐れもあります。
ちょうどいいところは、このふたつの境目にあるのかもしれません。
常に阿弥陀如来に支えられ、喚びかけられながら、自分の考えや行いを顧みる。
お任せするところはお任せして、できることを精いっぱい尽くしていく。
南無阿弥陀仏は、凡夫の生きるこの世間にお越しになり、はたらいてくださっています。
〈参考『あけぼのすぎ』より〉