愚かさとは 深い知性と 謙虚さである

浄土真宗の教えは「この世の常識をひっくり返すもの」です。

現代人は段々と賢くなってきました。

単純に科学技術が進歩しただけでなく、人間関係の中での立ち振る舞いも変化しています。
自分や自分の組織団体の利益を計ることに長けた人が増えたように思います。
同時に、自分の都合が悪くなれば、責任を組織に押しつけて逃げる人もよく見かけます。

ところが、このような賢さがもたらすのは社会の混乱です。
人間の知恵では「生きる意味や喜び」「いのちの尊さ」を知ることはできません。

浄土真宗の宗祖である親鸞聖人、その師匠である法然聖人のお言葉から分かることは、「仏さまの智慧に照らされて、受け止められた自らの愚かさ」です。

一般常識では、科学的な知識や社会情勢に詳しい知識人や、組織で上手に立ち回って競争に勝っていく人間を「賢い」と考えます。

しかし、本当の賢さとは「自らの愚かさに気づくこと」なのです。

仏さまの智慧に照らされ、自分のいのちと他のいのちの真実の有り様を知らされたとき、生きることの本当の意味と目的が明らかとなっていくのです。

〈参考『あけぼのすぎ』より〉

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2019年01月01日