昨日の記事を書きながら、とある新書を思い出しました。
『反省させると犯罪者になります』──かなり挑戦的なタイトルです。
内容は浄土真宗の説くところにも通じていて、繰り返し読んだ一冊です。
詳しい内容は控えますが、「人は自分の問題行動に後悔はしても、本当に心から悪かったと思うことはできない。反省など簡単にはできない。本当に反省させようと思うならば、もっと大切なことがある」といった内容が、教育現場やカウンセラー、刑務所での更生支援に携わった筆者の経験から詳しく述べられています。
ただ、この筆者の主張には反発も多いそうです。
私たちは「悪いことをしたら反省しないといけない」と教育を受けてきました。
きっとこれを読んでいる人の中にも廊下に立たされたり、反省文を書かされたり、強制的に反省を強いられて惨めな思いを経験した人もいるはず。
しかし、それが「無意味だ」と言われたら……要するに自分のしてきたことや信じてきた正義が否定されるのですから、反発するに決まっています。
しかし、「悪いことをしたら反省させる」をはじめ、知らず知らずに構築された私たちの中の枠組みが外されるところに仏教の魅力があります。
本書は仏教書ではありませんが、その味わいを深める一助となる一冊です。
合掌