先輩後輩2

先輩からご馳走していただく機会が多くあります。


自分が払おうとしたり、後日お金を返そうとすると断られてしまうことがほとんどです。

先輩は「ご馳走する後輩に見返りを求めていない」のでしょう。

ところが、人間である以上はそこまで簡単に割り切ることはできません。


ある友人の話です。先輩から「ご馳走してやる」と食事に連れていってもらったといいます。

もちろん、友人も会計時には財布を出して支払う意志を明示します。

「いいから、いいから。気にするな。後輩に奢ってやれ」

いつも通りの決まったやりとりがあって、友人は何度も先輩にお礼を告げたそうです。


しばらくして、友人がその先輩から仕事を振られたときのこと。

「先輩、すみません。ちょっと今、立て込んでいて……」

「お前、あの時に奢った恩を仇で返すのか?」

先輩にご馳走してもらった経験のある、すべての後輩に戦慄が走るエピソードではないでしょうか。


見返りを求めないフリして、奢った見返り求めるなんてなんて酷すぎる……と先輩を責めたところですが、人間である以上は自分の厚意に対してどうやっても見返りを求めてしまうものです。

・「親切」に対しては「ありがとう」のお礼

・「おはよう」の挨拶には「おはよう」の返事

・「努力」に対しては「結果」

私たちは兎にも角にも、自分の行動に見返りを求めてしまう弱く愚かな生き物なのです。


人へ親切にするとき or 人からの親切を受け取るときには、そうしたお互いの人間としての弱さに自覚を持つとトラブルが少なくなるのではないでしょうか。

合掌

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2019年05月12日