私たちは多くの幸せを願って生きています。
政治や経済、科学技術もそのためにあるといえるでしょう。
しかし、その願いを断ち切るのが「病」や「死」です。
新型コロナウイルスによって、私たちの日常は不安に包まれています。
自分たちがの願いを積み上げていっても、必ず幸せになれるとは限らないと教えられます。
仏教の根本姿勢は、「ものごとをありのままに見る」ということにあります。
それは必ずしも、「私たちの願いが叶うこと」ではありません。
誕生があれば「老」「病」「死」が必ずあること、「安心」があると、必ず次の「不安」が生じること。
そうであるからこそ、仏教の開祖であるお釈迦さまは、私たちに阿弥陀如来という仏さまお説きくださいました。
阿弥陀如来は、こちらから助けを求めていった先に待っていてくださる仏さまではありません。
すでに今、私の後ろからも、私の足下からも、照らし支えてくださる仏さまです。
日々の暮らしのさまざまな場面、嬉しいこと、辛いこと、悲しいことがあった時、阿弥陀如来さまのお心を思い起こし、受け止めて味わってゆく仏道が浄土真宗です。
南無阿弥陀仏とお念仏申すとき、「私はひとりではなかった」「ともに仏さまに照らされる仲間がいる」「阿弥陀如来さまがいてくださる」ということを思い起こし、生きる意味や喜びを知る仏道です。