「大焦熱(だいしょうねつ)地獄」の小地獄を紹介します。
『往生要集』を参考にふたつ挙げますが、ひとつ目の小地獄の名前が記述されていません。
出典である『正法念処(しょうぼうねんじょ)経』によると、恐らく「一切方焦熱処(いっさいほうしょうねつしょ)」と思われます。
●一切方焦熱処
空の彼方まで、針の穴ほどの隙間もなく炎に満たされた小地獄です。
罪人は炎の中から救いを求めて声の限りに叫び続けますが、何億念もの間、容赦なく身を焼かれ続けます。
生前に「清らかな生活をする在家の女性信者を犯した人」が堕ちます。
●普受一切苦悩(ふじゅいっさいくのう)
焼けた刀で身体中の皮膚を剥がされる小地獄です。
肉を傷つけずに皮だけを剥ぎ取ると、その皮を焼けた地面の上に並べて、火をつけ、さらにドロドロに溶けた鉄の液を注ぎます。
この苦しみが何億年も続きます。
生前に「出家僧でありながら、戒律を守って清らかな生活をする女性に対して、酒を飲ませて誘惑し、判断力を奪い、一緒に暮らしたり金品を与えたりした人」が堕ちます。
いよいよ次回が最後の「阿鼻(あび)地獄」です。
その後「どうして地獄について書いたか」「地獄はあるのか、ないのか」「地獄の受け止め方」などを書いて終わります。
合掌