引き続き、阿鼻地獄の描写を紹介します。最下層ということもあって、『往生要集』の記述も気合が入っています。
阿鼻地獄の城壁の四方に設けられた門には80の釜が並び、グツグツと煮えたぎった銅が溢れだし、城内の隅々まで流れます。
城壁を構成する何層もの隔壁の隙間には、鉄でできた無数の大蛇がいます。毒を吐き、火を噴きながら城内をくまなく練り歩きます。
咆哮は雷の何千倍もけたたましく、口から巨大な鉄球を雨のように撒き散らし、城内を埋め尽くします。
また500億の虫がいて、無数のクチバシから火を噴きながら、天から雨のように降ってきます。
この虫が降ることで、阿鼻地獄の炎はますます勢いを増し、あかあかと城内を照らします。
これらは「ありとあらゆる苦しみが、すべてここに集結していること」を表わす描写です。
合掌