今回は『瑜伽師地論(ゆがしじろん)』巻4の引用です。
東の彼方、三熱の大地から猛火が押し寄せて罪人を刺します。
炎の槍は罪人の皮膚を破り、肉をえぐり、筋を斬り、骨を砕き、髄を貫き、蝋燭のように身体全体を包みます。
東方からと同じように、南方・西方・北方からも猛火が襲います。
罪人は猛火と一体になり、そのすがたを判別することができません。
四方から炎の塊がやってくるように見えるだけでなく、すべての炎がひとつとなって隙間なく、苦痛が絶えることはありません。
苦痛のために泣き叫ぶ声が聞こえてくることで、はじめて炎の中に罪人がいることが分かるほどです。
獄卒は、鉄の箕で三熱の大地から燃えカスをすくい取り、前後左右に揺すってゴミを取り除いて罪人を見つけます。
焼けた鉄の地面に立たせ、焼けた鉄の山を登らせ、登らせては下らせ、それを何度も繰り返します。
口をこじあけて舌を引き出し、百本の鉄釘を打ち込んで板にはりつけ、牛の皮を張るように、皺がなくなるまで伸ばします。
さらに焼けた地面に仰向けにして、焼けた金鋏で口をこじ開け、三熱の鉄球を口から入れて口と喉とを焼き、内臓を通して肛門より出します。
また、ドロドロに溶けた銅を口から注ぎ、喉と口とを焼き、内臓を焼き尽くします。
合掌