等活地獄と同様に、黒縄地獄にも16の小地獄が付属しています。
●等喚受苦処(とうかんじゅくしょ)
熱炎をあげる黒縄で罪人を束ねて縛り上げ、その束をいくつも繋ぎ合わせます。鋭利な刀の生えている熱い地面に突き落とされ、切り裂かれたところを、下で待ち受けていた炎を噴くイヌにガツガツと食べられる小地獄です。
「大声を出してどれほど叫んでも、誰も助けには来てくれません」とあります。
生前に「よこしまな考えを持って相手を騙し陥れ、嘘をついて反省することなく、人を傷つけ、自らも傷つける人」が堕ちます。
●畏鷲処(いじゅしょ)
怒り狂う獄卒に鉄の杖で叩かれたり、燃える刀で切られたり、弓矢で射られたりしながら1日中逃げ回らなければいけない小地獄です。
生前に「自分の欲望を満足させるために人を殺したり、人を縛って食べ物を奪った人」が堕ちます。
『往生要集』には16の小地獄のうち、以上の2つだけが挙げられています。
出典である『正法念処経(しょうぼうねんじょぎょう)』には「旃荼処(せんだしょ)」という小地獄が挙げられています。
残りの13の小地獄については、経典にも記述がありませんでした。
合掌