早朝から築地本願寺へ。
毎月1日と16日の晨朝勤行終了後に行われている「小豆粥(あずきがゆ)接待」を取材しました。
担当するのは女性職員の皆さん。朝早くから大変です。
仏飯を洗って、小豆と鍋で煮ます。
平行してあんパンにカードをつける作業も行われています。
会場では付け合わせの盛り付けが同時進行。
参拝者の皆さんと「いただきます」。限定35食だそうです。
終わってからは後片付けも……こうした取り組みは他の別院などではやっていないそうです。頭が下がります。
ちなみに、なぜ「小豆粥」「あんパン」なのでしょうか。
滋賀県高島市北部から福井県敦賀市南部の間の山域は「愛発山(あらちやま)」と呼ばれていました。
とても険しい道であったことから、「荒血」や「荒道」という表記もされていたようです。
親鸞聖人が越後へ流罪に遭われた際に通った地ともいわれ、次のような伝承が残っています。
愛発山の険路で石につまずいた聖人は爪が剥がれて歩けなくなってしまい、近くの炭焼き小屋で休むことになりました。
その様子を見て心配した小屋の主人・弥次右衛門が小豆を炊いて聖人に差し上げたところ、聖人は大変喜ばれたといいます。
その時に聖人が詠んだと伝えられる
越路なる あらちの山に 行き疲れ 足も血潮に 染めるばかりぞ
の歌が刻まれた「親鸞聖人愛発山旧蹟」の碑が、この地には建てられています。
この伝承によって「親鸞聖人は小豆が好物だった」といわれるようになり、聖人のご遺徳を偲ぶ際には小豆料理が振る舞われる習慣が広まりました。
合掌