「両親からの愛情に恵まれて大切に育てられた明るくて友人の多い人と、
複雑な環境で生まれ育って心に闇を持った悲しみを知っている人、
どっちがカウンセラーに向いてると思いますか?」
大学時代に心理学関係の講義で先生に聞かれました。
「辛い過去があって悲しみを知っている人の方が、相手の悲しみに寄り添うことができるんじゃないですか?」
「不正解。意外に思うかも知れませんが、自分が受け容れられる感覚を持った人間でなければ、他者を受け容れることはできないものなんですよ。
弱さから生まれた優しさは、相手のためにならないことがほとんどですからね」
バッサリと切り捨てられました。
10代だった自分には理解ができない話でしたが、最近になって「そういうものなのかも知れないな」と感じることも多くなりました。
自分が受けたことのない感覚を相手に提供するのは難しいのかも知れません。
合掌