勧学寮講座の第3回目がありました。
今回は「聖道の教えと浄土の教え」と題した安藤光慈和上のご講義です。
「忌」という文字について、面白い話を教えてくださいました。
上の「己」は3つの線が糸を表わし、それを繋ぐことで「糸車」を表わしています。しかし、「己」だけでは分からないので、糸偏を付けた「紀」の字が生まれました。
糸車はちゃんと綺麗に巻かないといけないので、「己」には「きちんとする」「整える」という意味があります。
つまり、「忌」は「心を整える」となりますから、心を整えるために「不要なものを遠ざける」「必要ないものを避ける」といった意味になります。
存覚(ぞんかく)上人の『至道鈔(しどうしょう)』のなかに詳しい説明があるということだったので調べてみると次にようにありました。
忌という文字の訓はいみなり、これすなわちその亡日にをいて、かの徳を謝するよりほかに他事(たじ)をいみて禁断する義なり
「忌」とは、浄土に往生した故人の遺徳に対する報謝のために仏事をするということで、他の余計な事はしないという意味です。
合掌